ITコンサル志望者のためのESの書き方のポイント3つ

学生向け情報

就活生のあなたは、ITコンサルファームのエントリーシート(ES)の作成に頭を悩ませているのではないだろうか。

「技術的な知識をどこまで書けばいいのか」「コンサルタントに求められる資質をうまく表現できない」など、さまざまな不安や疑問を抱えているはずである。

筆者も就活時代、同じような悩みを抱えながらESを書き直した経験がある。そこで本記事では、ITコンサル志望者が押さえるべきESのポイントを、具体的に解説していく。

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ESの書き方のポイント3つ

ITコンサルファームのESを書く際に大切なポイントは、以下の3つである。

  1. 論理的思考力と問題解決能力の具体的なエピソード
  2. テクノロジーへの関心・理解度の適切な表現
  3. クライアントと向き合う姿勢の描写

これらのポイントを押さえることで、採用担当者に「この人ならITコンサルタントとして活躍できる」と確信させることができる。以下、それぞれのポイントについて詳しく見ていこう。

論理的思考力と問題解決能力の具体的なエピソード

ESでは、単に「論理的思考力があります」「問題解決能力があります」という抽象的な主張は避けるべきである。代わりに、以下のような要素を含む具体的なエピソードを書く。

  • 問題の発見から解決までのプロセス
  • データや事実に基づく分析
  • 複数の解決策の比較検討
  • 実行計画の立案と実践
  • 成果の定量的な評価

例えば、学生団体での活動や研究プロジェクトにおいて、どのように課題を特定し、どのような方法で解決に導いたのかを、数字を交えながら具体的に描写する。

「サークルの会計担当として、支出が予算を20%超過する課題に直面した際、3か月分の支出データを費目別に分析。無駄な支出の特定と、代替案の検討を行い、最終的に年間支出を15%削減することができた」といった具合である。

このような記述では、以下の点を意識すると説得力が増す。

  • 課題の定量的な提示(「20%超過」)
  • 分析手法の具体性(「費目別分析」)
  • 成果の数値化(「15%削減」)
  • 時間軸の明確化(「3か月分」「年間」)

テクノロジーへの関心・理解度の適切な表現

ITコンサルタントに求められるテクノロジーの知識は、必ずしもエンジニアレベルである必要はない。むしろ、以下のような観点での記述が効果的である。

  • 最新のテクノロジートレンドへの理解と関心
  • テクノロジーがビジネスにもたらす価値の考察
  • デジタルトランスフォーメーション(DX)の本質的な理解
  • テクノロジーを活用した問題解決の視点

技術的な詳細よりも、テクノロジーを通じてクライアントにどのような価値を提供できるかという視点で記述することが求められる。

例えば、「機械学習の研究に取り組んだ経験から、AIの技術的な可能性と実務での活用における課題の両面について理解を深めた」といった記述は、技術とビジネスの両面からの視点を示すことができる。

また、テクノロジーへの関心を示す際は、以下のような具体例を挙げると説得力が増す。

  • 技術ブログやニュースの定期的な購読
  • ハッカソンやテックイベントへの参加経験
  • 個人的なプログラミング学習の取り組み
  • テクノロジー企業のビジネスモデル分析

ただし、これらの活動についても、単なる経験の羅列ではなく、そこから得られた気づきや学びを中心に記述することを心がける。

クライアントと向き合う姿勢の描写

コンサルタントとして最も重要な要素の一つが、クライアントとの信頼関係の構築である。以下のような経験や考えを記述することで、この資質をアピールできる。

  • 相手の立場に立って考えた経験
  • 複数の利害関係者との調整経験
  • 提案や助言を行った際の工夫
  • 相手の本質的な課題を引き出した経験

これらの経験は、必ずしもビジネス上のものである必要はない。サークル活動やアルバイトなど、身近な経験でも構わない。

例えば次のような経験も、クライアントの真の課題を見出し、解決に導く能力を示す好例となる。

「塾講師のアルバイトで、生徒の学力向上という表面的な要望の背後にある自己肯定感の低さという本質的な課題を見出し、学習指導と並行して自信を持てるような声掛けを行った結果、成績と学習意欲の両方を改善できた」

このような経験を記述する際は、以下の要素を含めると良い。

  • 課題の発見プロセス
  • コミュニケーション上の工夫
  • 相手の変化や反応
  • 具体的な成果
  • 経験を通じた学び

表面的なアピールにとどまらないために

「技術的な知識が豊富なことをアピールすれば、ITコンサルファームでは有利になるはずだ」と考える人も多いだろう。確かに、テクノロジーの知識は必要である。

しかし、それ以上に求められているのは、ビジネス課題の解決にテクノロジーをどう活用できるかという視点である。

純粋な技術力だけを追求するのであれば、SIerやメーカーのエンジニア職の方が適している。ITコンサルタントは、テクノロジーとビジネスの橋渡し役として、より広い視野が求められる立場なのである。

そのため、ESでは以下のような要素を意識的に盛り込んでいく必要がある。

  • 技術とビジネスの両面からの分析力
  • さまざまなステークホルダーの立場の理解
  • 複雑な課題を整理し、本質を見抜く力
  • 解決策を分かりやすく説明する能力

まとめ:本質を捉えたESを書こう

ITコンサルファームのESでは、論理的思考力、テクノロジーへの理解、そしてクライアントと向き合う姿勢という3つの要素を、具体的なエピソードを通じて表現することが求められる。

抽象的な自己PRや技術的な知識の羅列ではなく、これらの要素を通じて「なぜ自分がITコンサルタントとして価値を提供できるのか」という本質的な問いに答えることを意識して書いていこう。

実際の執筆にあたっては、以下のようなステップで進めることをお勧めする。

  1. 自身の経験を棚卸しし、上記3つの要素に関連する具体的なエピソードを洗い出す
  2. それぞれのエピソードについて、定量的な成果や具体的な工夫を書き出す
  3. エピソードの中から、最も説得力のあるものを選択する
  4. 選んだエピソードを、論理的な流れに沿って展開する
  5. 第三者に読んでもらい、伝わりやすさをチェックする

これらのステップを踏むことで、より説得力のあるESを作成することができるだろう。