入社するまで絶対に見えてこないITコンサルの現実3選

課題と対策

ITコンサルタントへの転職を考えている方の多くは、高い年収や幅広い経験、そして社会的なステータスに魅力を感じているのではないだろうか。確かに、外から見るITコンサルタントの仕事は華やかで魅力的に映る。

しかし、実際に転職を考え始めると、さまざまな疑問や不安が湧いてくる。

「本当にITの知識がなくても大丈夫なのか」「クライアントと上手くコミュニケーションが取れるだろうか」「残業が多いという話を聞くが、どの程度なのか」など、具体的な仕事の実態が見えてこないことに不安を覚える人も少なくない。

特に気になるのは、転職サイトや企業の採用ページには決して書かれていない、ITコンサルタントの日常的な業務実態だ。今回は、実際に入社するまで決して見えてこない、ITコンサルの現実について詳しく解説する。

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入社するまで見えてこないITコンサルの現実

ITコンサルタントとして働く前に知っておくべき現実は、主に以下の3つである。

  • プロジェクトの9割は「システム更改」が占めている
  • 「戦略立案」よりも「実装支援」の方が圧倒的に多い
  • 技術的な専門性よりも、プロジェクトマネジメントのスキルが求められる

これらの現実は、必ずしもネガティブなものではない。むしろ、これらを事前に理解しておくことで、より効果的なキャリアプランを立てることができる。以下、それぞれの項目について詳しく見ていこう。

システム更改が大半を占める現実

多くの人は、ITコンサルタントと聞くと、最新のテクノロジーを活用した新規システムの構築や、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進をイメージするだろう。しかし、実際の現場では、既存システムの更改プロジェクトが圧倒的多数を占めている。

その理由は、日本企業の多くが抱える「レガシーシステム問題」にある。2000年代前後に構築された基幹システムが老朽化し、保守が困難になっているケースが非常に多い。

また、システムを構築した当時の技術者が退職してしまい、システムの全体像を把握している人材が社内に不在というケースも珍しくない。

このような状況下で、クライアント企業が最も必要としているのは、既存システムを安全に新しい環境に移行するための支援である。具体的な業務としては、以下のようなものが挙げられる。

  • 現行システムの調査・分析
  • 新システムの要件定義
  • 移行計画の立案
  • ベンダー選定支援
  • 移行プロジェクトの進捗管理

システム更改プロジェクトは、一見地味に感じるかもしれない。しかし、クライアント企業にとっては事業継続に関わる重要な取り組みであり、そこにITコンサルタントとしての大きな価値がある。

実装支援が中心となる業務実態

次に注目すべき現実は、業務の大半が実装支援に割かれるという点だ。

多くの人は、ITコンサルタントの仕事を「戦略を立案して提案書を作成し、クライアントに提示する」というイメージで捉えているかもしれない。しかし、実際の業務の80%以上は、立案した戦略を実現するための実装支援に費やされる。

実装支援の具体的な業務内容は多岐にわたる。例えば以下のような作業が日常的に発生する。

  • 業務フローの設計・改善
  • システム要件の定義・調整
  • ステークホルダー間の調整
  • 進捗管理・課題管理
  • 各種ドキュメントの作成

この現実は、コンサルタントとしての理想像とのギャップを感じる人もいるかもしれない。しかし、実装支援こそが、クライアントの本当の課題解決につながる重要な活動なのである。

実装支援を通じて、現場の実態や課題をより深く理解することができ、それが次の戦略立案にも活かされる。また、実装の経験がある人材は、より実現可能性の高い戦略を立案できるようになる。

プロジェクトマネジメントスキルの重要性

ITコンサルタントに求められる最も重要なスキルは、意外にも技術的な専門性ではない。むしろ、プロジェクトマネジメントのスキルが圧倒的に重要となる。この現実は、特にIT業界からの転職を考えている人にとって意外に感じられるかもしれない。

プロジェクトマネジメントスキルが重要視される理由は、ITコンサルタントの本質的な役割にある。それは、クライアント企業の課題を解決するために、さまざまなステークホルダーを巻き込みながら、プロジェクトを成功に導くことである。

具体的に求められるプロジェクトマネジメントスキルには、以下のようなものがある。

  • スケジュール管理
  • リスク管理
  • ステークホルダーマネジメント
  • チーム・マネジメント
  • コミュニケーション・マネジメント

これらのスキルは、一朝一夕には身につかない。しかし、プロジェクトに参加し、経験を積み重ねることで着実に成長していくことができる。

また、技術的な専門性は、プロジェクトに参加している専門ベンダーやクライアント企業のIT部門が補完してくれる場合が多い。

ITコンサルタントに求められるのは、それらの専門家と円滑にコミュニケーションを取りながら、プロジェクト全体を統制していく能力なのである。

キャリアの可能性を広げる視点

ここまで説明してきた現実に対して、「それでは単なるプロジェクトマネージャーではないか」という疑問を持つ人もいるだろう。

また、「技術的な専門性が重要視されないのであれば、キャリアの発展性に限界があるのではないか」という不安を感じる人もいるかもしれない。

確かに、ITコンサルタントの業務実態は、外から見えるイメージとは異なる部分が多い。しかし、それは決してキャリアの可能性が限定されることを意味しない。

むしろ、プロジェクトマネジメントの経験は、より上位のポジションを目指す上で非常に価値がある。なぜなら、大規模なプロジェクトの管理経験は、経営層との対話や、全社的な変革を推進する際に必要不可欠なスキルとなるからだ。

また、システム更改や実装支援の経験は、クライアント企業の業務プロセスや課題を深く理解することにつながる。この知見は、より戦略的な立場でクライアントの支援を行う際の大きな強みとなる。

結論:現実を理解した上でのキャリア選択を

ITコンサルタントの仕事は、確かに外から見えるイメージとは異なる現実がある。しかし、その現実を正しく理解し、受け入れた上でキャリアを選択することで、より充実した職業人生を送ることができる。

システム更改プロジェクトや実装支援の経験、そしてプロジェクトマネジメントのスキルは、将来的なキャリアの幅を広げる貴重な資産となる。

これらの現実を前向きに捉え、自身のキャリアプランに組み込んでいくことが、ITコンサルタントとして成功する鍵となるだろう。

プロフィール
s-spice

大学卒業後、日系SIer(システムインテグレーター)にてSEとしてキャリアをスタート。その後、外資系ITコンサルティングファームへ転職し、現在はデジタルトランスフォーメーション(DX)案件をリード。

社会人7年目で年収1,000万円を達成。採用面接官としても活動し、数多くの未経験者やキャリアチェンジ希望者の転職支援を行う。

自身の経験を基に、ITコンサルへの転職成功のための具体的なアドバイスや、業界の最新動向をこのブログで発信。未経験でもITコンサルに挑戦したい方へ向け、実践的で役立つ情報を提供します。「転職を決めたあの日の自分に教えたい」、そんな思いでこのブログを運営しています。

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