タクティクスオウガリボーンのひどい点と神ゲーな点を評価

タクティクスオウガリボーンの購入を検討しているものの、ネット上で「ひどい」という評価を目にして不安を感じていませんか。1995年の名作のリメイクとして2022年に発売されたこの作品は、確かに賛否両論が激しく、評価が真っ二つに分かれている珍しいタイトルです。

そこで今回は、タクティクスオウガリボーンがなぜ「ひどい」と批判されるのか、その一方でなぜ「神ゲー」と絶賛されるのか、両方の視点から徹底的に分析します。この記事を読めば、あなた自身がこのゲームを楽しめるタイプかどうかが判断できるはずです。

タクティクスオウガリボーンのひどいと批判される問題点

  • バフカードシステムへの強い反発と運要素の増大
  • レベルキャップ制限による理不尽な高難易度化
  • ゲームバランスを崩す各種システムの変更点

バフカードシステムへの強い反発と運要素の増大

タクティクスオウガリボーンで最も激しい批判を浴びているのが、新たに導入されたバフカードシステムです。戦闘マップ上にランダムに出現するこのカードを踏むことで、攻撃力上昇や防御力低下といった効果が得られるのですが、これが戦略性を損なっていると多くのプレイヤーが指摘しています。

特に問題視されているのは、敵が最初から有利なバフカードを所持している場面が多く、プレイヤーの戦術よりも運要素が勝敗を左右してしまう点です。せっかく綿密に立てた作戦が、敵が踏んだバフカード一枚で台無しになる経験は、確かにフラストレーションを生み出します。

このシステムに対しては、開発者の松野泰己氏自身がSNSで批判的なユーザーをブロックするという事態まで発生し、炎上騒動に発展しました。パッチによる改善も期待できないと明言されたことで、このバフカードシステムとの付き合い方がプレイヤーの評価を大きく左右する結果となっています。

レベルキャップ制限による理不尽な高難易度化

もう一つの大きな批判点が、ストーリー進行に応じて設定されるレベル上限、いわゆるユニオンレベルの存在です。このシステムにより、従来のようにレベルを上げて敵を圧倒するという戦法が完全に封じられてしまいました。

問題なのは、レベルキャップがあるにもかかわらず、敵側はプレイヤーより2から3レベルも高く設定されていることが多い点です。さらに難易度調整機能も存在しないため、詰まってしまったプレイヤーは何度もやり直しを強いられることになります。

ランダムエンカウントも廃止されたため、金稼ぎや経験値稼ぎの手段が限られており、装備を整えることすら困難な場面があります。戦略性を重視した設計意図は理解できるものの、それがストレスとして感じられるプレイヤーが多いのも事実でしょう。

ゲームバランスを崩す各種システムの変更点

バフカードやレベルキャップ以外にも、前作「運命の輪」から大きく変更されたシステムが複数あり、それらも批判の対象となっています。特に深刻なのが弓の大幅な弱体化で、ボスクラスの敵には1ダメージしか与えられないという極端な調整がなされました。

また、クラスごとに装備制限が追加されたことで、従来できた自由な育成方針が制限されてしまいました。これらの変更は戦略の幅を広げるどころか、かえって選択肢を狭めているという印象を与えています。

さらに、販売価格が通常版でも5,480円と高めに設定されていることも、不満の一因となっているようです。リメイク作品としての価値は認めつつも、これらのシステム変更が改悪と受け取られているため、価格に見合わないと感じるプレイヤーも少なくありません。

タクティクスオウガリボーンが神ゲーと評価される優れた点

  • 分岐する重厚なストーリーと圧倒的な没入感
  • 現代に蘇った美麗なグラフィックと生演奏BGM
  • 膨大なやり込み要素と親切な周回システム

分岐する重厚なストーリーと圧倒的な没入感

タクティクスオウガリボーンの最大の魅力は、やはり民族紛争をテーマにした骨太のストーリーです。プレイヤーの選択によってロウ、カオス、ニュートラルの3ルートに分岐し、それぞれ異なる結末を迎えるマルチエンディングシステムは、27年前のオリジナル版から変わらぬ輝きを放っています。

今回のリボーンでは全てのカットシーンがフルボイス化され、豪華声優陣による演技が物語の重みをさらに増しています。特にヒロインであるカチュアの声は多くのファンから高い評価を受けており、既存ファンの期待に見事に応えています。

大義のために非人道的な選択を強いられる場面や、信念を貫くために味方と袂を分かつ展開は、プレイヤーに深い感情的体験をもたらします。このストーリーの質の高さこそが、どんなシステム上の問題があっても「最高のゲーム」と評価される理由なのでしょう。

現代に蘇った美麗なグラフィックと生演奏BGM

グラフィック面では、オリジナルの緻密なピクセルアートの風合いを残しながら、高解像度化に成功しています。キャラクターやマップの描写は現代の水準に引き上げられながらも、レトロゲームならではの温かみを失っていません。

音楽面での進化はさらに顕著で、作曲家の崎元仁氏による全74曲が生演奏で再レコーディングされました。オーケストラによる豊かな音色は、戦闘の緊張感やストーリーの感動を何倍にも増幅させており、過去の名曲を凌駕するほどの完成度です。

UI設計も一新され、HPゲージの頭上表示やアイコン選択方式の採用により、情報把握のしやすさが大幅に向上しました。これらの演出面での改良は、古典的な名作を現代のプレイヤーにも違和感なく届けることに成功していると言えます。

膨大なやり込み要素と親切な周回システム

タクティクスオウガリボーンのやり込み要素は、他のゲームとは比較にならないほど膨大です。100層もの「死者の迷宮」をはじめ、「海賊の墓場」「サン・ブロンサ遺跡」など、クリア後に解放される高難易度コンテンツが豊富に用意されています。

全てのキャラクターを仲間にするには複数のルートをプレイする必要がありますが、W.O.R.L.D.システムによって物語の任意の地点に強いデータのまま飛べるようになりました。このシステムのおかげで、最初からやり直すことなく別ルートのキャラクターを収集できる点は、非常に親切な設計です。

また、演習モードの追加により、レベル差のあるユニットを効率的に育成できるパワーレベリングが可能になりました。総プレイ時間が500時間を超えるという報告も珍しくなく、トロフィーコンプリートですら本格的な挑戦の序章と言われるほどのボリュームは、まさに神ゲーと呼ぶにふさわしいでしょう。

タクティクスオウガリボーンを楽しめる人・楽しめない人

  • 高難易度な戦略性を求める骨太ゲーマー向け
  • ストーリー重視派には間違いなく推奨できる
  • 気軽にサクサク遊びたい層には不向きな作品

高難易度な戦略性を求める骨太ゲーマー向け

タクティクスオウガリボーンを心から楽しめるのは、高難易度のシミュレーションRPGに歯ごたえを感じるタイプのゲーマーです。レベル上げによるゴリ押しが封じられているからこそ、ユニット編成、装備選択、配置、戦術のすべてを緻密に考える必要があり、その試行錯誤こそが醍醐味となります。

実際、多くの高評価レビューでは「一度で勝てないステージが何度もあり、それを攻略する過程が楽しい」という声が聞かれます。敵AIも非常に賢く設計されており、同じマップでも毎回異なる動きをするため、パターン化できない緊張感が続きます。

50ターンまで巻き戻せるC.H.A.R.I.O.T.システムは、失敗を恐れず様々な戦術を試せる安全装置として機能しています。このシステムを「邪道」と感じるなら使わなければよく、使いながら攻略の最適解を探るのも一つの楽しみ方と言えるでしょう。

ストーリー重視派には間違いなく推奨できる

ゲームシステムへの賛否はさておき、ストーリーの質の高さについては批判派も認めるところです。民族間の対立、大義と個人の信念の衝突、戦争の不条理といったテーマは、現代の社会情勢にも通じる普遍性を持っています。

主人公デニムの視点で描かれる群像劇は、どの登場人物も単純な善悪では割り切れない複雑な思想を持っており、プレイヤーは常に難しい選択を迫られます。その選択の重みが、フルボイス化と生演奏BGMによってこれまで以上に心に響くのです。

「バトルは苦手だがストーリーだけでも体験したい」という人にとって、実は進化したAIが味方になってくれます。AIに戦闘を任せるだけでかなりの局面を突破できるため、シミュレーションが得意でない人でもストーリーを楽しめる可能性があります。

気軽にサクサク遊びたい層には不向きな作品

逆に、このゲームを「ひどい」と感じてしまうのは、気軽にストーリーをサクサク進めたいタイプのプレイヤーです。一つのバトルで30分以上かかることも珍しくなく、しかも失敗すればやり直しとなるため、時間効率を重視する人には確実にストレスとなります。

また、難易度調整機能がないため、どうしてもクリアできない場面で詰まってしまう可能性があります。ファイアーエムブレムシリーズのカジュアルモードのような救済措置を期待する人には、この作品の姿勢は厳しすぎると感じられるでしょう。

バフカードの運要素についても、戦略ゲームに純粋な実力勝負を求める層からは不評です。これらの点を踏まえると、タクティクスオウガリボーンは万人向けではなく、特定の嗜好を持つプレイヤーに深く刺さる尖った作品だと言えます。

タクティクスオウガリボーンについてのまとめ

タクティクスオウガリボーンは、バフカードやレベルキャップといった賛否両論のシステムを抱えながらも、重厚なストーリーと膨大なやり込み要素で熱狂的な支持を集める作品です。批判と賞賛が真っ二つに分かれる理由は、プレイヤーがゲームに何を求めるかによって評価が大きく変わるからでしょう。

この記事の要点を復習しましょう。

  1. バフカードシステムの運要素が戦略性を損なうという批判がある
  2. レベルキャップ制限により理不尽な高難易度化が問題視されている
  3. 分岐する物語とフルボイス化による没入感は最高峰の評価
  4. 生演奏BGMと高解像度グラフィックで名作が現代に蘇った
  5. 膨大なやり込み要素と親切な周回システムが長期間楽しめる
  6. 高難易度を楽しめるかどうかが評価の分かれ目になる

あなたがもし、じっくり考えながら戦略を練ることに喜びを感じ、骨のあるストーリーに時間を費やす価値を認めるなら、このゲームは間違いなく「神ゲー」となるでしょう。しかし気軽なプレイを望むなら、購入前に体験版やプレイ動画で自分に合うか確認することを強くお勧めします。

参考リンク

応援のシェアをお願いします!
  • URLをコピーしました!