2024年11月15日に101歳で薨去された三笠宮妃百合子さまには、9人のひ孫がいらっしゃいます。長寿を全うされた百合子さまは、最晩年まで孫やひ孫の成長を楽しみにされていたといい、4世代にわたる大家族に恵まれた幸せな人生を送られました。
そこで今回は、百合子さまの家系図をたどりながら、それぞれのひ孫の方々について詳しくご紹介していきましょう。皇室から民間へと嫁がれた孫世代の子供たちは、どのような人生を歩んでいるのでしょうか。
百合子さまのひ孫の全体像
- 近衛家の3人のお子さま
- 千家の1人のお子さま
- 守谷家の3人のお子さま
近衛家の3人のお子さま
百合子さまの長女・近衛甯子さんと、日本赤十字社名誉社長の近衛忠煇さんとの間に生まれた近衛忠大さんには、3人のお子さまがいらっしゃいます。近衛忠大さんは映像作家として活躍されており、妻の久邇桂子さんとの間に長男、次男、長女の3人を授かっています。
この3人が百合子さまのひ孫にあたり、五摂家筆頭の名門・近衛家の血を引く次世代として成長されています。近衛家は歴史ある公家華族の家柄であり、百合子さまの皇族の血統と合わさって、格式高い家系を形成しているのです。
近衛家のひ孫たちは一般には詳しい情報が公開されていませんが、近衛忠大さんが陽明文庫の評議員を務めるなど、伝統と文化を大切にする家風の中で育てられていることが伺えます。百合子さまにとって、初めてのひ孫たちとして特別な思い入れがあったのではないでしょうか。
千家の1人のお子さま
百合子さまの次女・千容子さんは、茶道裏千家の第16代家元・千宗室さんと結婚され、3人のお子さまをもうけられました。そのうち長女の阪田万紀子さんが医師の阪田宗弘さんと結婚し、娘さんが1人誕生しています。
この阪田万紀子さんの娘さんが、千家からの唯一のひ孫となります。阪田万紀子さん自身も葵祭の第54代斎王代を務めるなど、京都の伝統文化に深く関わってこられた方です。
千容子さんの長男・菊地明史さんは詩人として活動されていましたが、2024年8月に39歳の若さで亡くなられました。次男の千敬史さんは裏千家の次期家元として活躍されていますが、お子さまについての情報は公表されていません。
守谷家の3人のお子さま
百合子さまの三男・高円宮憲仁親王の三女である守谷絢子さんは、2018年に日本郵船社員の守谷慧さんと結婚されました。結婚後、3人の男児に恵まれ、2024年5月には第3子が誕生したばかりです。
絢子さんは2019年11月に長男を、2022年9月に次男を、そして2024年5月に三男を出産されています。この3人の男の子たちが、百合子さまのひ孫として元気に成長されているのです。
守谷家のお子さまたちは、百合子さまが最晩年に会うことのできたひ孫世代として、特別な存在だったに違いありません。学習院のイベントで家族4人の姿が目撃されるなど、絢子さんは仕事と育児を両立しながら、充実した日々を過ごされているようです。
皇籍を離れた孫たちの選択
- 千家典子さんの現在
- 承子女王の立場
- その他の孫たちの動向
千家典子さんの現在
高円宮家の次女・千家典子さんは、2014年に出雲大社の権宮司である千家国麿さんと結婚されました。結婚から10年が経過していますが、現時点でお子さまは誕生していないとされています。
典子さんの結婚は「縁結びの神様」として知られる出雲大社との縁として大きな話題となりました。しかし、結婚後は別居説や離婚の噂なども一部で報じられ、夫婦の様子が注目を集めることもありました。
とはいえ、千家家は代々養子を迎えることもある家柄であり、跡継ぎについては柔軟な対応が可能とされています。典子さんは出雲での生活を続けながら、「若姫君様」として裏方の仕事に携わられているようです。
承子女王の立場
高円宮家の長女・承子女王は、現在も皇族の身分を保持されています。学習院大学を卒業後、イギリスのエディンバラ大学大学院で学ばれるなど、国際的な視野を持った活動をされてきました。
承子女王は未婚のため、現時点でひ孫にあたるお子さまはいらっしゃいません。しかし、皇室の中でも自由な雰囲気で知られる高円宮家で育ち、独自の個性を発揮されています。
SNSでの発信や、様々な公務への参加など、現代的な皇族としての役割を果たされている承子女王。将来的に結婚されれば、新たなひ孫が誕生する可能性もあるでしょう。
その他の孫たちの動向
百合子さまの長男・寛仁親王には彬子女王と瑶子女王という2人の娘がいらっしゃいます。姉の彬子女王は研究者として活躍され、妹の瑶子女王は心理学を専門とされていますが、お二人とも未婚です。
次男の桂宮宜仁親王は生涯独身で、2014年に66歳で薨去されました。そのため、桂宮家からはひ孫は生まれていません。
このように、百合子さまの9人の孫のうち、現時点でひ孫をもうけているのは3人のみです。しかし、まだ若い世代の孫たちも多く、今後さらにひ孫が増えていく可能性は十分にあるでしょう。
ひ孫たちに託された未来
- 伝統の継承者として
- 新しい時代を生きる子どもたち
- 百合子さまの願い
伝統の継承者として
百合子さまのひ孫たちは、それぞれが格式高い家柄の一員として、日本の伝統と文化を受け継ぐ立場にあります。近衛家は五摂家の筆頭として公家の伝統を、千家は茶道裏千家として茶の湯の文化を、それぞれ次世代に伝えていく使命を担っているのです。
特に近衛家と千家は、数百年にわたる歴史を持つ名家であり、その伝統を守ることは決して容易なことではありません。しかし、皇族の血を引くひ孫たちには、その重責を果たすだけの素養が備わっていることでしょう。
百合子さまご自身も、華族の出身として皇室に嫁がれた経験をお持ちです。だからこそ、伝統を守りながらも時代に適応していく大切さを、ひ孫たちに伝えたかったのかもしれません。
新しい時代を生きる子どもたち
一方で、ひ孫たちは現代社会を生きる普通の子どもたちでもあります。守谷家の3人の男の子たちは、両親に連れられて学習院のイベントを楽しんだり、ベビーカーで散歩をしたりと、ごく自然な家族の姿を見せています。
近衛家や千家のお子さまたちも、名門の家に生まれたとはいえ、現代の教育を受け、友人との交流を楽しみながら成長されているはずです。伝統と現代性のバランスを取りながら育つことは、これらのお子さまたちにとって貴重な経験となるでしょう。
百合子さまが100歳の誕生日に寄せられた文書では、ひ孫の成長を楽しみにされていることが綴られていました。激動の時代を生き抜いた百合子さまだからこそ、子どもたちが健やかに育つことを何よりも願われていたに違いありません。
百合子さまの願い
百合子さまは、5人のお子さまの育児日誌をつけたり、家族のアルバムを作成したりと、家族の歩みを大切に記録されてきました。そうした丁寧な記録は、後の世代にとってかけがえのない財産となっているはずです。
3人の息子さんを亡くされるという悲しみを経験されながらも、孫やひ孫の成長を見守り続けた百合子さま。その姿からは、家族の絆を何よりも大切にする温かな人柄が伝わってきます。
ひ孫たちにとって、百合子さまは直接の面識がないお子さまもいらっしゃるかもしれません。しかし、曽祖母として残された写真や記録を通じて、百合子さまの愛情はこれからも受け継がれていくことでしょう。
百合子さまのひ孫についてのまとめ
百合子さまのひ孫たちは、それぞれの家庭で健やかに成長されています。近衛家の3人、千家の1人、守谷家の3人という構成で、合計9人のひ孫の中には、まだ幼いお子さまも含まれています。
この記事の要点を復習しましょう。
- 百合子さまには9人のひ孫がおり、3つの家系に分かれている
- 近衛忠大さんのお子さま3人が最も早くに生まれたひ孫である
- 守谷絢子さんは3人の男児に恵まれ、2024年5月に第3子が誕生した
- 千家では阪田万紀子さんの娘が唯一のひ孫となっている
- それぞれのひ孫は名門の家系で伝統を受け継ぐ立場にある
- 百合子さまは最晩年までひ孫の成長を楽しみにされていた
大正、昭和、平成、令和と4つの時代を生き抜かれた百合子さまの人生は、まさに激動の1世紀でした。その温かな眼差しに見守られて育つひ孫たちが、それぞれの道で幸せな人生を歩まれることを、心から願わずにはいられません。
