ある女性アイドルグループが解散の際に「ざまあみろ」という言葉を残したエピソードが話題になっています。しかし、それはBiSHではなく、BiSという別のグループの出来事です。
そこで今回は、この「ざまあみろ」という印象的な言葉を残して解散したグループの真実と、BiSHとの関係性について詳しく解説していきます。名前が似ているために混同されがちな二つのグループですが、その成り立ちや活動時期には明確な違いがあり、知れば知るほど興味深い物語が見えてくるはずです。
「ざまあみろ」で解散したのは第2期BiS
- 2019年5月11日の解散ライブで起きた出来事
- ミュークラブというメンバーの最後の言葉
- 解散に至った経緯と背景
2019年5月11日の解散ライブで起きた出来事
結論から言うと、「ざまあみろ」という言葉を残して解散したのは、2019年5月11日に活動を終えた第2期BiSです。この日、東京のマイナビBLITZ赤坂で開催された解散ライブは、メンバーそれぞれが思いの丈を語る感動的な場面が続きました。
ライブは全26曲を披露する熱量あふれるステージとなり、アンコールではメンバー一人ひとりが解散への思いを語りました。涙ながらに感謝を伝えるメンバー、これからの決意を述べるメンバーと、それぞれが自分らしい言葉でファンに別れを告げていきます。
そして最後に挨拶したのがミュークラブというメンバーでした。彼女は静かに語った後、突如として「ざまあみろー!!」と叫び、会場を驚かせたのです。
ミュークラブというメンバーの最後の言葉
ミュークラブの「ざまあみろ」という言葉は、一見すると攻撃的に聞こえるかもしれません。しかし、この言葉の背景には、アイドルとして本気で向き合ってきた彼女なりの複雑な感情が込められていたと考えられます。
実際、彼女はその直前にBiSでの活動を通じて様々な感情を経験したことを認めており、それだけに、解散という結末を迎えることへの無念さや、それでも前を向こうとする強がりのような感情が、あの一言に凝縮されていたのではないでしょうか。
アイドルの解散シーンといえば、涙と感謝の言葉で締めくくられるのが一般的です。そんな中で放たれた「ざまあみろ」という言葉は、型にはまらないBiSらしさを最後まで体現した、印象的な幕切れだったと言えるでしょう。
解散に至った経緯と背景
第2期BiSの解散は、2019年3月30日に突然発表されました。発表の場となったのは長崎県の壱岐の島ホールで開催されたイベントで、メンバー9人から解散の申し入れがあったことが明かされています。
このグループは2016年に再始動し、メンバーの入れ替わりを経ながら精力的に活動を続けていました。2018年には47都道府県を回るツアーを敢行するなど、その活動範囲は広がりを見せていましたが、同時にメンバーそれぞれが感じていた葛藤もあったのかもしれません。
解散後、プロデューサーの渡辺淳之介氏は「俺には俺の解散しなければいけない理由がありました。きっとメンバーにもあると思います」と語っています。その真意は外部からは計り知れませんが、表舞台だけでは見えない様々な事情があったことは想像に難くありません。
BiSとBiSHは別のグループ
- 名前が似ているが全く別の存在
- 両グループの成り立ちと活動時期
- 混同されやすい理由
名前が似ているが全く別の存在
ここで重要なのは、BiSとBiSHは一文字違いの名前ながら、全く別のアイドルグループだということです。BiSは「Brand-new idol Society(新生アイドル研究会)」の略で、ファンは「研究員」と呼ばれます。
一方、BiSHは「Brand-new idol SHiT(新生クソアイドル)」の略で、ファンは「清掃員」と呼ばれていました。このネーミングからも分かるように、両グループとも既成概念を打ち破ろうとする姿勢は共通していますが、それぞれ独自のアイデンティティを持っているのです。
BiSHは2015年から2023年6月29日まで活動し、「楽器を持たないパンクバンド」というキャッチコピーで人気を博しました。紅白歌合戦にも出場するなど、その知名度はBiSを上回っていたとも言え、それゆえに「ざまあみろ」の話題がBiSHと結びつけられてしまったのかもしれません。
両グループの成り立ちと活動時期
BiSは2010年に結成され、2014年7月8日に横浜アリーナで「BiSなりの武道館」と題した解散ライブを開催して一度幕を閉じました。この第1期BiSは、破天荒なプロモーション手法で注目を集め、アイドルシーンに新しい風を吹き込んだグループとして記憶されています。
その後、2015年1月にBiSのプロデューサーだった渡辺淳之介氏が「BiSをもう一度始める」と宣言してBiSHを始動させました。興味深いのは、BiSHが活動を開始した後の2016年に、BiS自体も第2期として再始動したことです。
つまり、時系列で見るとBiS(2010-2014)→BiSH開始(2015)→BiS再始動(2016)→BiS解散(2019)→BiSH解散(2023)という流れになります。この複雑な経緯が、両グループの関係性をより一層分かりにくくしている要因となっているのです。
混同されやすい理由
BiSとBiSHが混同されやすい最大の理由は、やはり名前の類似性にあります。検索で片方を調べようとしても、もう片方の情報が混ざって表示されることも多く、特にライト層にとっては区別が難しいのが実情でしょう。
さらに、両グループとも同じプロデューサーとサウンドプロデューサーが手がけており、楽曲の雰囲気にも共通点が見られます。BiSHのデビュー曲にはBiSの楽曲から歌詞が引用されるなど、意図的に繋がりを持たせていた部分もあり、ファン以外が混同するのも無理はありません。
また、両グループとも型破りなアイドル像を追求していたため、「過激な言動をするグループ」というイメージが重なってしまうことも要因の一つです。「ざまあみろ」という衝撃的な言葉も、どちらのグループが発したものか曖昧になりやすい環境を作り出していたのかもしれません。
BiSとBiSHの音楽性の違い
- BiSの破天荒なスタイル
- BiSHの壮大なサウンド
- それぞれが切り開いた道
BiSの破天荒なスタイル
BiSの最大の特徴は、その破天荒なプロモーション手法と実験的な音楽性にありました。第1期BiSは、ミュージックビデオでメンバーがほぼ全裸で出演するなど、当時のアイドルシーンでは考えられないような表現で注目を集めました。
音楽面では、パンクロックやノイズミュージックの要素を取り入れた楽曲が多く、アイドルらしさとアーティスト性のバランスを模索していたグループだったと言えます。「nerve」や「primal.」といった代表曲は、今でもWACK所属グループのオーディションで歌い継がれており、その影響力の大きさが分かります。
BiSの存在は、「アイドルはこうあるべき」という固定観念に一石を投じました。それは時に物議を醸すこともありましたが、後続のグループに大きな影響を与え、アイドルシーンの多様性を広げる役割を果たしたのです。
BiSHの壮大なサウンド
一方、BiSHはBiSのDNAを受け継ぎながらも、より洗練された音楽性を追求していきました。「オーケストラ」や「プロミスザスター」といった代表曲は、ストリングスを導入した壮大なサウンドが特徴で、単なるアイドルの枠を超えた表現力を見せつけました。
BiSHは「楽器を持たないパンクバンド」というキャッチコピーの通り、ロックサウンドを基調としていましたが、その音楽性は幅広いものでした。メロディアスなバラードから過激なロックチューンまで、ジャンルにとらわれない楽曲制作が、多くのファンを魅了した要因となっています。
興味深いのは、BiSHがBiSほど過激なプロモーションを行わなかったことです。プロデューサーの渡辺氏は「今の時代は嫌われると逆に客が減る」と語っており、時代に合わせて戦略を変えていったことが、BiSHの成功につながったと考えられます。
それぞれが切り開いた道
BiSとBiSH、二つのグループはそれぞれ異なるアプローチでアイドルシーンに新しい風を吹き込みました。BiSが開拓した「型破りなアイドル像」という土台があったからこそ、BiSHはより幅広い層に受け入れられる表現を追求できたのかもしれません。
両グループに共通しているのは、メンバー自身が楽曲制作に深く関わり、自分たちの言葉で表現しようとした姿勢です。BiSHでは特にモモコグミカンパニーが多くの楽曲の作詞を担当し、アイナ・ジ・エンドがほぼ全ての振り付けを手がけるなど、メンバーの個性が色濃く反映されていました。
現在、BiSは第3期として活動を続けていましたが、2025年1月に解散しました。両グループが切り開いた道は、今後のアイドルシーンにも影響を与え続けることでしょう。
BiSとBiSHについてのまとめ
「ざまあみろ」という印象的な言葉を残して解散したのは、BiSHではなく2019年に活動を終えた第2期BiSでした。この言葉は、ミュークラブというメンバーが解散ライブの挨拶で発したもので、BiSらしい型破りな幕切れとして記憶されています。
この記事の要点を復習しましょう。
- 「ざまあみろ」と叫んだのは2019年5月11日に解散した第2期BiSのミュークラブ
- BiSとBiSHは一文字違いだが全く別のアイドルグループ
- BiSは2010年結成、BiSHは2015年結成で、BiSが先行グループ
- 両グループとも渡辺淳之介氏がプロデュースしているため関連性が深い
- BiSは破天荒なスタイル、BiSHは壮大なサウンドとそれぞれ特色を持つ
- 名前の類似性や活動時期の重複により混同されやすい
名前が似ているだけでなく、プロデューサーが同じで音楽性にも共通点があるため、BiSとBiSHを混同してしまうのも無理はありません。しかし、それぞれが独自の道を切り開き、アイドルシーンに新しい価値観をもたらした点では共通しており、両グループの功績は今後も語り継がれていくことでしょう。
