賃貸住宅で暮らしていると、壁に収納スペースを増やしたくても穴をあけられないことに悩んでいませんか。原状回復が求められる物件では、壁に傷をつけることへの不安から、せっかくの壁面を活用できないまま過ごしている方も多いはずです。
そこで今回は、100均グッズを使って壁に穴をあけずに棚を作る方法をご紹介します。ダイソーを中心とした100円ショップには、賃貸でも安心して使える便利なアイテムが豊富に揃っており、数百円から千円程度の予算で実用的な収納棚を実現できますよ。
壁に穴をあけずに棚を作る基本的な方法
- 突っ張り棒と専用棚板を組み合わせる方法
- 一体型の突っ張り棚を使う方法
- 特殊粘着フックでウォールシェルフを固定する方法
突っ張り棒と専用棚板を組み合わせる方法
ダイソーの突っ張り棒2本と専用の棚板を組み合わせる方法は、最も基本的で応用範囲の広い棚作りの手法です。突っ張り棒は110円から、棚板も110円から購入でき、合計330円程度から棚を設置できる驚異的なコストパフォーマンスを実現しています。
この方法の最大の魅力は、設置場所のサイズに合わせて自由に調整できる柔軟性にあります。トイレの狭い空間から、洗面所の横幅まで、突っ張り棒の長さを選ぶことで様々な場所に対応できるため、デッドスペースを有効活用したい場合に特に威力を発揮するでしょう。
ただし、突っ張り棒の耐荷重は1本あたり1〜2kg程度のものが一般的なため、重いものを置く用途には向いていません。タオルやトイレットペーパー、軽い小物類の収納に最適で、見た目以上に重い調味料の瓶などは避けたほうが安全だと覚えておきましょう。
一体型の突っ張り棚を使う方法
ダイソーには突っ張り機能と棚が一体になった商品も販売されており、こちらは設置の手軽さが大きな特徴です。330円から550円程度の価格帯で、幅30〜45cmの小型サイズなら耐荷重約18kg、幅63〜93cmの大型サイズなら耐荷重約30kgと、驚くほど頑丈な作りになっています。
この方法は組み立てる手間がほとんどなく、設置したい場所に合わせて伸縮させて突っ張るだけで完成します。キッチンの調味料棚や洗面所のタオル置きなど、ある程度の重量物を安定して収納したい場所に向いており、初めて棚作りに挑戦する方でも失敗しにくい選択肢といえるでしょう。
注意点として、棚の幅を最大まで伸ばすと耐荷重が減少してしまうことを知っておく必要があります。例えば63〜93cmサイズの場合、63cmで使用すれば約30kgに耐えられますが、93cmまで伸ばすと約13kgまで低下するため、重いものを置く場合は設置幅を慎重に検討すべきです。
特殊粘着フックでウォールシェルフを固定する方法
ダイソーの「壁紙用フック」は特殊な粘着剤を使用しており、壁紙に跡を残さずに取り外せる画期的な商品です。耐荷重は500g、1kg、2kgの3種類があり、軽量のウォールシェルフを固定するのに最適で、賃貸物件でも安心して使える点が大きな魅力となっています。
この方法の素晴らしいところは、壁面を自由にデザインできる自由度の高さにあります。好きな位置に好きな高さで棚を設置できるため、インテリアとしての見栄えを重視したい方や、ちょっとした飾り棚が欲しい方に特におすすめできる選択肢です。
ただし、接着剤が完全に固まるまで24時間かかることと、耐荷重が比較的小さい点には注意が必要です。小さなフェイクグリーンやフォトフレーム、鍵などの軽い小物を飾る用途には最適ですが、本や食器など重量のあるものは避け、あくまで装飾的な棚として活用するのが賢明でしょう。
場所別・用途別の最適な棚の作り方
- トイレ空間での収納棚の作り方
- キッチン周辺での実用的な棚の作り方
- 洗面所・浴室での棚の作り方
トイレ空間での収納棚の作り方
トイレは限られた空間だからこそ、壁面を活用した収納が効果的に機能する場所です。便器の後ろや横の壁に突っ張り棒2本と棚板を組み合わせることで、トイレットペーパーや掃除用品を浮かせて収納でき、床を清潔に保ちやすくなる大きなメリットがあります。
具体的には、壁と壁の間隔が40〜60cm程度であれば、110円の突っ張り棒2本と220円のスライド棚で合計440円という低予算で棚が完成します。さらに突っ張り棒用のシリコンキャップ(110円)を追加すれば、ズレや落下を防止できて安心感が格段に高まるため、合わせて購入することを強くおすすめします。
トイレの棚作りで意外と見落とされがちなのが、視覚的な圧迫感への配慮です。狭い空間では棚板の色を壁紙に近い色にしたり、収納するアイテムを厳選したりすることで、スッキリとした印象を保てるため、機能性だけでなく見た目の快適さも意識して設置してみてください。
キッチン周辺での実用的な棚の作り方
キッチンには意外とデッドスペースが多く存在し、コンロ脇やシンク上の空間は棚を設置する絶好のチャンスです。ただし、火元の近くに設置する場合は、プラスチック製の突っ張り棒や棚板が熱で変形する危険があるため、十分な距離を確保するか金属製のアイテムを選択する必要があります。
おすすめの方法は、突っ張り棒2本にワイヤーネットを結束バンドで固定し、ワイヤーネット用のバスケットを引っ掛ける組み合わせです。この方法なら調味料や調理器具を見やすく収納でき、合計550円程度で実用性の高い収納システムが完成するため、コストパフォーマンスの面でも申し分ありません。
キッチン収納で忘れてはいけないのが、油汚れや水はねに対する対策です。定期的に棚を外して洗える構造にしておくことや、拭き取りやすい素材を選ぶことで、清潔な状態を維持しやすくなりますから、見た目の美しさと実用性を両立させた棚作りを心がけましょう。
洗面所・浴室での棚の作り方
洗面所や浴室のような水回りでは、吸盤タイプのアイテムが大活躍する場所です。ダイソーの強力吸盤フックは耐荷重1〜5kgのものがあり、タイルやガラスなどツルツルした面にしっかりと固定できるため、石鹸やシャンプーボトルなどを浮かせて収納するのに最適です。
洗面所の鏡の横などに突っ張り棚を設置する場合は、湿気による影響を考慮する必要があります。錆びにくいステンレス製やプラスチック製の突っ張り棒を選び、定期的に突っ張り具合をチェックすることで、長期間安定して使用できる環境を整えることができるでしょう。
浴室内に設置する場合は、換気扇の近くや水がかかりにくい場所を選ぶことが長持ちの秘訣です。また、吸盤は定期的に水洗いして汚れを落とすことで吸着力が回復するという特性があるため、吸着力が弱くなったと感じたら、まず洗ってみることをおすすめします。
棚を長持ちさせるコツと注意点
- 耐荷重を守り安全に使うポイント
- 突っ張り力を維持する工夫
- 設置場所の壁材を確認する重要性
耐荷重を守り安全に使うポイント
100均の棚作りで最も重要なのは、パッケージに記載された耐荷重を絶対に守ることです。耐荷重を超えた重量物を載せると、徐々にズレて最終的に落下してしまうリスクがあり、特にキッチンやトイレでの落下は危険を伴うため、余裕を持った使い方を心がける必要があります。
実用的な目安として、表示されている耐荷重の70〜80%程度までに収めることをおすすめします。例えば耐荷重2kgの棚なら、実際には1.5kg程度までにしておくことで、長期間安定して使用でき、急に荷物を追加したくなった時にも対応できる安心感が得られるでしょう。
また、重いものを置く場合は、棚の奥側(壁に近い側)に配置することで安定性が増します。手前側に重いものがあると棚が手前に傾きやすくなり、突っ張り力が弱まる原因になるため、配置の工夫一つで棚の寿命が大きく変わることを覚えておいてください。
突っ張り力を維持する工夫
突っ張り棒や突っ張り棚が落ちてしまう主な原因は、時間とともに突っ張り力が弱まることにあります。ダイソーには「つっぱり補助板」(110円)というアイテムがあり、これを壁面に貼ることで突っ張り棒の滑りを防止でき、安定性を飛躍的に高めることができます。
さらに効果的なのが、突っ張り棒の両端に取り付ける「シリコンキャップ」(110円)の活用です。このキャップは摩擦力を高めて滑りを防ぐだけでなく、壁面への圧力を分散させて跡が残りにくくする効果もあるため、賃貸物件では特に重宝する必須アイテムといえるでしょう。
設置後は月に一度程度、突っ張り具合をチェックして必要に応じて調整する習慣をつけることをおすすめします。特に季節の変わり目は湿度や温度の変化で壁材が微妙に伸縮し、突っ張り力が変化しやすいため、こまめなメンテナンスが棚を長持ちさせる秘訣となります。
設置場所の壁材を確認する重要性
突っ張り棒や粘着フックを使用する前に、必ず設置する壁の材質を確認することが失敗を防ぐ鉄則です。石膏ボードの壁であれば問題ありませんが、土壁や漆喰のような柔らかい壁材では跡がついてしまう可能性があるため、賃貸の場合は特に慎重な確認が求められます。
壁材の確認方法は、目立たない場所に軽く画鋲を刺してみることで判断できます。刺した画鋲の先端が白い粉をかぶっていれば石膏ボードである可能性が高く、このタイプの壁であれば突っ張り棒も粘着フックも比較的安心して使用できると考えて良いでしょう。
吸盤タイプのアイテムを使う場合は、表面がツルツルしているかどうかが成否を分けます。タイルやガラス、鏡面仕上げの壁紙なら問題ありませんが、凹凸のある壁紙や布壁紙では吸着しないため、設置場所の選択を間違えないよう、事前に表面の状態をよく観察してから購入することが大切です。
100均グッズで壁に棚を作ることについてのまとめ
100均グッズを活用すれば、賃貸住宅でも壁に穴をあけずに実用的な棚を作ることができます。数百円から始められる手軽さと、原状回復の心配がない安心感が何よりの魅力であり、DIY初心者でも失敗を恐れずチャレンジできる素晴らしい選択肢だと実感していただけたはずです。
この記事の要点を復習しましょう。
- 突っ張り棒と棚板の組み合わせは最も基本的で応用範囲が広い方法
- 一体型の突っ張り棚は設置が簡単で耐荷重も大きい
- 壁紙用フックは跡が残らず装飾的な棚作りに最適
- トイレ・キッチン・洗面所など場所に応じて最適な方法を選ぶ
- 耐荷重を守り余裕を持った使い方が安全の鉄則
- シリコンキャップや補助板で突っ張り力を維持できる
壁面収納は部屋を広く使うための効果的な手段であり、100均グッズならコストを気にせず色々な場所で試せます。まずは小さな棚から始めて、慣れてきたら複数の棚を組み合わせるなど、あなたの暮らしに合わせた収納空間を少しずつ作り上げていってください。
