昨年末に年賀状辞退の挨拶をしたのに、元旦のポストに届いていた年賀状を見て、どう対応すべきか戸惑っていませんか。せっかく辞退の意向を伝えたのに届いてしまうと、返信すべきか悩んだり、相手に申し訳ない気持ちになったりするものです。
そこで今回は、年賀状を辞退したのに届いたときの返信テンプレートを3つの状況別にご紹介します。親しい友人向けから目上の方向けまで、具体的な文例とともに対応のコツをお伝えしますので、あなたの状況に合わせて活用してください。
年賀状を辞退したのに届く理由を理解しよう
- 相手が年賀状辞退の通知を見落とした可能性
- こちらからも送りたいという相手の気持ち
- 住所録の更新漏れで自動的に送られたケース
相手が年賀状辞退の通知を見落とした可能性
年賀状辞退の挨拶をきちんと送ったにもかかわらず、相手が見落としていたり読み飛ばしていたりするケースは意外と多いものです。年末は誰もが慌ただしく、届いた年賀状に目を通す時間がなかったり、末尾の一言を読まずに住所録に登録してしまったりすることがあります。
特に多くの方と年賀状をやり取りしている人ほど、一枚一枚じっくり読む余裕がないという現実があるでしょう。そのため、悪気があって送ってきたわけではなく、単純に気づかなかっただけという可能性を理解しておくことが大切です。
このような場合、相手を責めるような対応は避け、改めて辞退の意向を穏やかに伝えることで解決できます。むしろこれは、コミュニケーションを取り直す良い機会だと前向きに捉えてみてはいかがでしょうか。
こちらからも送りたいという相手の気持ち
年賀状辞退の通知を理解した上で、それでも送りたいという相手の気持ちから年賀状が届くこともあります。特に長年のお付き合いがある方や、あなたとの関係を大切に思っている方は、近況を伝えたいという思いで送ってくることがあるのです。
こうした相手は、返信を期待しているわけではなく、一方的に送るだけでも構わないと考えている場合がほとんどです。子どもの成長を知らせたい、元気な様子を伝えたいといった純粋な気持ちから送っているのかもしれません。
このケースでは、相手の温かい気持ちに感謝しつつ、あなた自身は無理に返信する必要はないでしょう。ただし、関係性によっては簡単な返信をすることで、相手の思いやりに応えることも素敵な選択だと言えます。
住所録の更新漏れで自動的に送られたケース
パソコンやスマートフォンの住所録をそのまま使って年賀状を印刷している人は、更新作業を忘れて前年のデータで送ってしまうことがよくあります。特に印刷業者に一括で依頼している場合、過去のデータがそのまま使われて自動的に送信されてしまうのです。
このような機械的なミスは、相手に悪意がないどころか、気づいてすらいないことがほとんどでしょう。むしろ相手も「あれ、この人には送らないつもりだったのに」と後から気づいて、申し訳なく思っているかもしれません。
こうしたケースでは、あまり深刻に考えすぎず、必要に応じて簡単に辞退の意向を再度伝える程度で十分です。次回からは送られてこなくなる可能性が高いので、寛容な気持ちで受け止めることをおすすめします。
年賀状を辞退したのに届いたときの返信テンプレ3選
- 親しい友人向けの気軽な返信テンプレート
- 目上の方や仕事関係者向けの丁寧な返信テンプレート
- 寒中見舞いで返信する場合のテンプレート
親しい友人向けの気軽な返信テンプレート
親しい友人や同僚などには、堅苦しくない温かみのある返信で気持ちを伝えましょう。年賀状ではなく、メッセージアプリや電話で直接伝えるのも良い方法です。
例えば「年賀状ありがとう、元気そうで嬉しかったよ、実は昨年お知らせしたんだけど、今年から年賀状は辞退することにしたんだ、これからはメッセージで連絡し合おうね」といった内容が適しています。
もし年賀状で返信する場合は「年賀状をいただきありがとうございます、昨年お伝えしましたが今年から年賀状は送らないことにいたしました、今後はメールなどでやり取りできれば嬉しいです、変わらぬお付き合いをよろしくお願いします」といった文面が使えるでしょう。
親しい間柄だからこそ、正直に自分の状況を伝えることで理解してもらいやすくなります。年賀状をやめることが友情の終わりではないと、明るく前向きに伝えることがポイントです。
目上の方や仕事関係者向けの丁寧な返信テンプレート
お世話になっている目上の方や仕事関係者には、礼を尽くした丁寧な返信を心がけましょう。相手への敬意を示しながら、辞退の意向を穏やかに再度お伝えすることが大切です。
年賀状での返信例としては「謹んで新年のご挨拶を申し上げます、このたびはご丁寧な年賀状をいただき誠にありがとうございました、昨年ご案内申し上げましたとおり、家族と相談の結果、今年から年賀状は控えることといたしました、誠に勝手ながらご理解賜りますようお願い申し上げます、今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます」といった文面が適切でしょう。
寒中見舞いで返信する場合は「寒中お見舞い申し上げます、先日はご丁寧なお年賀状を賜り厚く御礼申し上げます、昨年お知らせいたしましたが、諸般の事情により今年から年賀状は送らないことにいたしました、ご理解いただけますと幸いでございます、今後とも変わらぬお付き合いのほどよろしくお願い申し上げます、厳しい寒さが続きますがどうかお身体を大切になさってください」という形が使えます。
目上の方への返信では、辞退の理由を詳しく説明する必要はありませんが、感謝の気持ちと今後の関係継続の意思を明確に伝えることが重要です。相手に不快な思いをさせないよう、言葉選びには十分配慮しましょう。
寒中見舞いで返信する場合のテンプレート
松の内を過ぎてから返信する場合や、年賀状という祝いの場で辞退を伝えることに抵抗がある場合は、寒中見舞いでの返信が適しています。寒中見舞いは季節の挨拶状なので、落ち着いた形で辞退の意向を伝えられるメリットがあります。
一般的な文例としては「寒中お見舞い申し上げます、先日はご丁寧な新年のご挨拶をいただき誠にありがとうございました、昨年末にお伝えいたしましたとおり、今年から年賀状は送らないことにいたしました、これまで長くお気遣いくださったことに心から感謝を申し上げます、今後とも変わらぬお付き合いのほどよろしくお願いいたします、厳しい寒さが続きますがお身体を大切になさってください」という内容が使えます。
よりシンプルにする場合は「寒中お見舞い申し上げます、年賀状をありがとうございました、諸事情により今年から年賀状は控えさせていただいております、ご理解いただければ幸いです、今後もよろしくお願いいたします、どうかお身体を大切にお過ごしください」といった文面でも良いでしょう。
寒中見舞いで返信する際は、松の内が明けた一月八日から立春の頃までに送るのがマナーです。デザインは控えめなものを選び、新年を祝う言葉は避けて、相手の健康を気遣う内容を心がけましょう。
返信する際に気をつけたいマナーとポイント
- 返信は必須ではないが関係性によって判断する
- 再度辞退の意向を伝える場合の言葉選び
- 今後の関係を良好に保つための心遣い
返信は必須ではないが関係性によって判断する
年賀状辞退を伝えた後に届いた年賀状に対して、必ず返信しなければならないという決まりはありません。むしろ返信することで相手に気を遣わせてしまう可能性もあるため、基本的には受け取るだけで問題ないのです。
ただし、目上の方や特にお世話になっている方、また今後も密接な関係を続けたい相手には、一言返信しておくと安心でしょう。逆に疎遠になっている方や、形式的な付き合いだけの相手には、返信せずに次回から送られてこなくなるのを待つという選択も賢明です。
大切なのは、相手との関係性や今後どうしたいかという自分の気持ちに基づいて判断することです。義務感だけで返信するのではなく、本当に必要かどうかを冷静に考えてみることをおすすめします。
再度辞退の意向を伝える場合の言葉選び
返信の中で改めて辞退の意向を伝える際は、相手を責めるような表現は絶対に避けましょう。あくまでも自分の事情であることを明確にし、相手に配慮した柔らかい言葉を選ぶことが大切です。
「年賀状は不要です」といった直接的な表現ではなく、「今年から控えさせていただいております」「辞退させていただくこととなりました」といった婉曲的な言い回しが適切でしょう。また「面倒だから」「もったいないから」といった本音は書かず、「諸般の事情により」「家族と相談の結果」などの表現を使うと角が立ちません。
さらに重要なのは、辞退することと人間関係を断つことは別だという点をしっかり伝えることです。「今後も変わらぬお付き合いを」という一文を添えることで、相手に安心感を与えられるでしょう。
今後の関係を良好に保つための心遣い
年賀状を辞退したからといって、相手との関係まで疎遠になってしまうのは寂しいものです。むしろこれを機に、年賀状以外のコミュニケーション方法を提案することで、関係をより深められるかもしれません。
例えば「これからはメールやメッセージで気軽に連絡し合いましょう」「時々お会いしてお話しできれば嬉しいです」といった前向きな提案を添えると良いでしょう。また、相手から届いた年賀状に書かれている近況報告に触れて、「お子さんの成長が楽しみですね」などと具体的に反応することで、きちんと読んでいることが伝わります。
年賀状という形式にこだわらず、柔軟なコミュニケーションを取ることが現代の人間関係では大切だと言えるでしょう。相手の気持ちを尊重しながら、自分らしい付き合い方を模索していくことが、長く良好な関係を保つ秘訣です。
年賀状辞退後の対応についてのまとめ
年賀状を辞退したにもかかわらず届いた場合、相手に悪意はなく、見落としや更新漏れ、または温かい気持ちから送られていることがほとんどです。過度に気にせず、必要に応じて穏やかに対応することが大切だとわかりました。
この記事の要点を復習しましょう。
- 年賀状が届く理由には見落とし、相手の気持ち、更新漏れなど様々な背景がある
- 親しい友人には気軽に、目上の方には丁寧に、状況に応じた返信テンプレートを使い分ける
- 寒中見舞いでの返信は松の内明けから立春までに送るのがマナー
- 返信は必須ではなく、関係性によって判断することが重要
- 辞退の意向を伝える際は柔らかい言葉を選び、相手への配慮を忘れない
- 年賀状をやめても人間関係は継続できることを明確に伝える
年賀状辞退という選択は、決して人間関係を疎かにすることではありません。相手の気持ちを尊重しながら、自分らしいコミュニケーション方法を見つけていくことで、より豊かな人間関係を築いていけるはずです。