首都圏連続不審死事件の木嶋佳苗さんを「可愛い」と感じる人がいることに、多くの方が疑問を抱いているのではないでしょうか。実際に彼女は複数の男性から総額1億円以上をだまし取り、3人の男性の命を奪った重大な犯罪者です。
しかし「佳苗ガールズ」と呼ばれる女性たちが存在し、彼女に憧れを抱く人々がいるのも事実です。そこで今回は、木嶋佳苗さんを魅力的だと感じる人々の心理的特徴を分析し、詐欺被害から身を守るための警鐘として、彼女の現在の状況とあわせてお伝えします。
木嶋佳苗に魅力を感じる人の心理的特徴
- 自己肯定感が極度に低く承認欲求が強い
- 孤独感が強く依存的な関係を求めがち
- 現実逃避願望があり理想化しやすい
自己肯定感が極度に低く承認欲求が強い
木嶋佳苗さんに騙された被害者男性の多くは「今まで誰とも付き合ったことがない」「全然モテない」「容姿に自信がありません」などと自分で語っていました。このように自己評価が低い人は、詐欺師にとって絶好のターゲットとなります。
木嶋佳苗さんは相手のすべてを受け入れてくれる存在として振る舞い、被害者の欠点さえも「素敵」と肯定してくれました。彼女は「料理上手」「聞き上手」「家庭的」という理想的な女性像を演じ、被害者男性から絶賛されていました。
このパターンに該当する人は、相手からの過度な称賛や理想的すぎる言動に注意が必要です。健全な人間関係では、お互いの欠点も含めて時間をかけて理解し合うものであり、最初から完璧に受け入れてくれる相手には警戒心を持つべきでしょう。
孤独感が強く依存的な関係を求めがち
木嶋佳苗さんが狙った被害者は、年上で奥手そうで寂しそうにしている男性ばかりでした。マイナスな言葉ばかり発している人は詐欺師に狙われやすく、悪用する人まで引き寄せてしまう恐れがあります。
ある被害者は、木嶋佳苗さんが何も言わなくてもお茶を出してくれることに感動したと語っています。このような些細な気遣いに過度に感動してしまうのは、日常的に孤独感を抱えている証拠といえるでしょう。
孤独感が強い人は、相手への依存度が高くなりがちで、冷静な判断力を失いやすくなります。特に「この人しかいない」という思考に陥った時は、一度立ち止まって第三者の意見を求めることが重要です。
現実逃避願望があり理想化しやすい
木嶋佳苗さんに憧れる女性の中には「堂々としているから」「男に媚びない」「男に振り回されない」といった理由を挙げる人がいます。彼女の「女を最大限に生かし、利用することで得られる対価」に魅力を感じる女性も存在します。
木嶋佳苗さんは高級輸入車のベンツを買い、高級マンションに住み、ブランドバッグを購入するなど豪華な生活を送っていました。彼女は男性たちから巻き上げたお金を「本命男に貢ぐ」でもなく、自分のために使っていました。
しかし、これらの生活は他人を騙し、最終的に殺害することで成り立っていた現実を見過ごしてはいけません。現実的な努力を避けて、手っ取り早く理想を手に入れたいという願望は、犯罪に巻き込まれるリスクを高める危険な思考パターンです。
木嶋佳苗が用いた巧妙な手口の分析
- 偽の身分と華やかなライフスタイルの演出
- 相手の心理を読んだ完璧な癒し系キャラクターの演技
- 段階的に金銭を要求する計算された手法
偽の身分と華やかなライフスタイルの演出
木嶋佳苗さんは「吉川桜」という偽名を用い「父親は東大教授で、自らはピアノ講師、フードコーディネーターである」と騙っていました。木嶋佳苗さんのブログには高級食材、ブランド品、イタリアンレストランでの食事など華やかな暮らしぶりがつづられていました。
しかし実際の木嶋佳苗さんは「化粧っ気がなく、いつも地味な服を着ていた」「あいさつしても恥ずかしがって何も言わない、おとなしい人」と周囲に見られていました。ネット上の優雅で社交的な暮らしぶりと、実生活との間には大きな落差がありました。
この手口は現在でもSNSを利用した詐欺で頻繁に使われています。豪華な写真や経歴が並んでいても、実際に会ったことがない相手の情報をすべて鵜呑みにするのは危険です。
相手の心理を読んだ完璧な癒し系キャラクターの演技
木嶋佳苗さんが交換していたのは、分かりやすい「癒やし」でした。彼女は根っからの男好きで、男性にここまでのめり込むことは普通の女性では到底できません。
木嶋佳苗さんは「19歳で初めて愛人契約を男性と結び、一般の女性とは違うセックスでの異なった世界を男性に与えることができる」と主張していました。裁判の際にも、自らを「名器」と称したり、「性の奥義を極めたかった」と証言するなど、異例の発言が注目を集めました。
しかし、このような発言は相手を操るための計算された演技であり、真の愛情ではありません。相手があまりにも理想的すぎる言動を見せる場合、その背後に隠された意図がないか冷静に判断することが必要です。
段階的に金銭を要求する計算された手法
木嶋佳苗さんは結婚を装った詐欺をおこない、ネットの結婚紹介サイトを通じて20人以上の男性に接近し、金を無心していました。木嶋佳苗さんは婚活サイトで料理の写真をブログにアップしたり、介護の仕事をしているとアピールして男性に積極的にコンタクトを取っていました。
死亡直前に被害者Aの銀行口座から木嶋佳苗さんの銀行口座に計1700万円が振り込まれていました。被害者Cに対しては結婚する気があると装って、約470万円を受け取っていました。
詐欺師は最初から大金を要求することはありません。小さな金額から始めて、相手の信頼を得てから徐々に要求額を増やしていくのが典型的な手口です。恋愛関係でお金の貸し借りが発生した時点で、一度冷静になって状況を見直すことが重要です。
木嶋佳苗の現在の状況と近況
- 東京拘置所での死刑囚としての生活
- 3度の獄中結婚と支援者との関係
- ブログでの有料記事販売による収益活動
東京拘置所での死刑囚としての生活
2017年4月14日、最高裁判所は「殺害は計画的で極めて悪質。被告人は不合理な弁解で、反省の態度を全く示しておらず、死刑はやむを得ない」として木嶋佳苗さんの上告を棄却し、死刑が確定しました。2025年現在、木嶋佳苗さんは東京拘置所に収監されており、死刑囚として獄中生活を送っています。
拘置所の生活は特に仕事をする必要はなく、テレビや読書など、基本的に自由に生活が可能です。しかし、いつ死刑が執行されるのかがわからない日々となり、精神的に非常にキツイと言われています。
死刑確定から8年が経過していますが、日本では死刑確定から執行まで平均で7年程度かかることが多く、木嶋佳苗さんの刑がいつ執り行われるかは不明な状況が続いています。
3度の獄中結婚と支援者との関係
2019年4月24日には、週刊新潮のデスクの男性と3度目の獄中結婚をしたと週刊文春が報じました。週刊新潮のデスクは妻子持ちでしたが、木嶋佳苗さんと結婚するために離婚していました。
木嶋佳苗さんは現在の夫と思われる男性を「王子」としてブログで何度も言及し、「美しい容姿を持つ、理知的で英邁な人傑の王子」と絶賛していました。しかし、シルクの靴下の件で「朝、目覚めた瞬間に『夫が憎い!』と思った」と激しく批判する記事も投稿しています。
獄中結婚は死刑確定後に家族として面会できる権利を得るためと考えられており、木嶋佳苗さんの場合も計算された行動の一環である可能性が高いとみられています。
ブログでの有料記事販売による収益活動
2014年1月5日より、木嶋佳苗さん本人が拘置所で書いたものを、支援者がブログとして更新しています。2025年7月現在も更新中で、最終更新は2025年7月13日となっています。
木嶋佳苗さんは「30キロ減量した」と主張し、そのダイエット方法を有料記事として販売しています。これはnoteというプラットフォームで配信されており、第1回目のnoteは500円でしたが、2回目は700円と200円値上がりしました。
死刑執行を待つ身でありながら、このような収益活動を行う姿勢に対して「反省していないように見える」との批判の声も上がっており、社会の注目を集め続けています。
木嶋佳苗事件についてのまとめ
木嶋佳苗さんの事件は、婚活を悪用した詐欺と殺人が組み合わさった極めて悪質な犯罪でした。彼女を「可愛い」と感じる人々の心理には、自己肯定感の低さ、孤独感の強さ、現実逃避願望という共通点があります。
この記事の要点を復習しましょう。
- 自己肯定感が極度に低く承認欲求が強い人は詐欺師のターゲットになりやすい
- 孤独感が強い人は過度に相手に依存し冷静な判断力を失いがち
- 現実逃避願望のある人は理想化しやすく危険な思考パターンに陥りやすい
- 偽の身分と華やかなライフスタイルの演出は現代でも使われる手口
- 段階的な金銭要求は詐欺師の典型的な手法である
- 木嶋佳苗さんは現在も東京拘置所で死刑囚として生活している
木嶋佳苗さんのような人物に魅力を感じてしまう心理を理解することで、私たち自身や大切な人を詐欺被害から守ることができます。恋愛や人間関係において違和感を覚えた時は、一人で判断せず信頼できる第三者に相談することが重要です。